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【開催報告】北大×UoM合同ワークショップ、盛況のうちに閉幕―PRISM-HUの研究者7名が発表

2026.08.26

2026年8月19日・20日、北海道大学とメルボルン大学(UoM)による「HOKKAIDO × MELBOURNE JOINT RESEARCH WORKSHOP」がオンライン形式で開催され、盛況のうちに閉幕しました。

本ワークショップでは両大学の研究者が、がん研究を中心に腫瘍免疫、画像診断とAI、空間オミクス、光線力学療法、臨床応用などの幅広いテーマについて発表しました。

PRISM-HUに関わるメンバーからは7名が登壇しました。本稿では発表順に紹介します。

ワークショップに参加した研究者の皆さま

8月19日(Day 1)

田中 努 助教

北海道大学 大学院医学研究院
病理系部門・微生物学免疫学分野・免疫学教室

NLRC5-dependent anti-cancer immunity

演題:NLRC5に依存する抗がん免疫

NLRC5は、がん細胞の目印を免疫細胞に伝える「抗原提示」という仕組みに関わる分子です。免疫細胞ががん細胞を見つけて攻撃する際に、NLRC5が果たす役割について研究成果を紹介しました。

田中 伸哉 教授

北海道大学 大学院医学研究院長

HARP phenomenon: Creation of cancer stem cells by using synthetic polymer hydrogels

演題:HARP現象―合成高分子ハイドロゲルによるがん幹細胞の創出

ハイドロゲルは、水分を多く含む柔らかなゲル状の素材です。HARP現象(Hydrogel-Activated Reprogramming)とは、特定の合成高分子ハイドロゲル上で、がん細胞ががん幹細胞へと変化する現象です。がん幹細胞を作製・解析する技術と、再発や治療抵抗性の解明、創薬への展開について解説しました。

平田健司 准教授

北海道大学 大学院医学研究院
放射線科学分野 画像診断学教室

AI in Nuclear Medicine Oncology: From Image Analysis to Large Language Models

演題:腫瘍核医学におけるAI―画像解析から大規模言語モデルまで

PETやSPECTなど、がん診療に用いられる核医学画像の解析にAIを活用する研究から、文章や医療情報を扱う大規模言語モデル(LLM)の応用まで、腫瘍核医学におけるAIの幅広い可能性を展望しました。

遠田 建 特任助教

北海道大学 大学院医学研究院
医学研究AI支援部門

LLENS: Fully On-Premises AI Agents

演題:LLENS―完全オンプレミス型AIエージェント

LLENS(Large Language Enhanced Nexus System)は、機微な医療情報を院外に出すことなく活用できる、院内専用の大規模言語モデル基盤です。外部のクラウドサービスに依存せず、組織内の管理された環境で動作するAIエージェントの仕組みについて紹介しました。

北井秀典 助教

北海道大学 大学院医学研究院
呼吸器内科学教室

Targeting TROP2 in KRAS-Mutant Lung Cancer

演題:KRAS変異肺がんにおけるTROP2を標的とした治療

KRAS遺伝子に変異を持つ肺がんに対し、がん細胞の表面に存在するTROP2という分子を新たな治療標的として捉える研究です。治療が難しい肺がんに対する新たな治療戦略の可能性について紹介しました。

8月20日(Day 2)

中岡 慎治 教授

北海道大学 大学院先端生命科学研究院
組織構築学分野

Application of an in silico perturbation method to lung cancer single-cell transcriptomics

演題:肺がんの単一細胞遺伝子発現解析へのコンピューターシミュレーション手法の応用

肺がんを構成する細胞一つひとつについて、どの遺伝子がどの程度働いているかを解析し、特定の遺伝子などの働きを変化させた場合に細胞がどのように反応するかを、コンピューター上で検討する研究です。肺がんの仕組みの理解や、治療につながる手がかりの探索に役立つアプローチです。

畑中 佳奈子 特任講師

北海道大学病院 医療・ヘルスサイエンス研究開発機構
先端診断技術開発センター

Cancer genome analysis

演題:がんゲノム解析

がんゲノム解析とは、がん細胞の遺伝情報を調べ、がんの発生や進行に関わる遺伝子の変化を明らかにする方法です。がんの特徴を詳しく理解し、診断や治療方針を検討するための基盤となります。

本ワークショップを通じて、北海道大学とメルボルン大学の研究者が互いの研究成果を共有し、今後の研究交流につながるすばらしい機会となりました。

ご参加いただいた皆さま、開催にご尽力いただいた関係者の皆さまに、心より御礼申し上げます。